個別ケース紹介:開示資料毎に伝わってくる熱量が違う件
タイトルだけ見ると、なんのこっちゃわからないかと思います。
自分の中でモヤモヤしていることが出てきたので、考えも整理できないままコレを書いています。
あれ、読んでる媒体でなんか感じる熱量が全然違うぞ・・・
モヤモヤのきっかけは、超優良企業キリンホールディングスの開示資料を見比べたときです。
自分の場合は企業の開示資料を見る順番は以下のようになっています。
決算説明会資料→質疑応答→決算短信(細かい数字)→アニュアルレポート
なんとなく情報の即時性を無意識のうちにとっているのかなと思います。
新中期経営計画のスライドも決算説明会資料と同じタイミングで拝見してます。
その流れで各媒体を見たときに感じたモヤモヤを下記にまとめていきます。
まずはこれをご覧ください。
・長期経営構想説明会資料
http://www.kirinholdings.co.jp/irinfo/policy/strategy/pdf/kv2021_2016_2018medium-term.pdf
タイトルから『構造改革による、キリングループの再生』なんて書いてて、強い危機感を抱いていて、『結果にこだわり、計画をやり切る』なんて強いメッセージを出しているわけですよ。
(伊藤レポートを意識してるんだろうなと思いながら)
ROE向上に向けた因数分解では、収益性の改善を大々的に掲げていて、「相当な覚悟だな」というのがなんとなく読み取れるわけです。
それで、その熱量のまま統合報告書を拝見してみたら、
非常に言いづらいことなんですが、ちょっとガッカリしちゃったわけですよ…。
・KIRIN REPORT[統合報告書]2016年3月発行分
http://www.kirinholdings.co.jp/csv/report/pdf/report2015/kirinreport2015.pdf
前もって伝えておくと、統合報告書を否定するつもりは全くありません。
統合報告書のキーメッセージも『ACCELERATING VALUE-DRIVEN GROWTH』って言ってるわけですし。
ただ、なんだろうなぁ…。
冊子を通じて、なんか熱量が全然伝わってこないんだよなぁ~。
キレイに収まり過ぎちゃってるというか、優等生っぽいというか。
これ思うのって自分だけ?ねぇ自分だけかな?
批判めいた言い方になってしまうが、足元の経営状況を踏まえた上で、
冒頭のLEAD STORYって「あんなんで良いの?」って思っちゃうんですよね。
そりゃぁ社会への貢献や、差別化のための技術を踏まえて、経営課題に真摯に取り組んでいくっていうストーリーは理解できますよ。
でもどこかオシャレ過ぎちゃって、全然危機感が伝わってこないっていうか。
特集記事とかもさぁ、健康とかクラフトビールじゃなくて、ブラジル戦略どうすんだよってトコロを打ち出してほしかったな~。
これは社内調整上、取り上げるのも難しいとは思うんだけど、長期経営構想説明会資料でも収益構造改革のシナリオで明確に施策を打ち出してるんだから、もうちょっとフォーカスしても良かったんじゃないかと思っています。
一文字残らず読み切ったわけではないですが、読後感として
長期経営構想説明会資料で感じた熱量どっかいっちゃったって印象でした。
なんか熱量が伝わってこないから、ガバナンスについても形式的な表現がメインなので「はいはい」って感じになってしまいました。
あくまで個人の感想として書いているだけなので、関係者の方々にはこんな内容で本当に申し訳ありませんという気持ちです。
けっこうコレって由々しい事態じゃない?
統合報告が意識されるようになって、みなさん財務情報と非財務情報の結合性とか重要性にばかり目がいきがちになると思うんですが、統合報告以前の問題として、開示資料毎の熱量が異なってるのってけっこう由々しい事態だと思いませんか?
そりゃ個々人受け取る印象は違うんだから、一緒にするな!!という意見はごもっともです。
しかも伝えるべきメッセージは同じなのでまったく問題はないんですが、そこから感じる熱量の違いは、また新たな課題なんじゃないかなと思う次第なわけです。
資本やKPIや価値創造モデルやら色々と設定されている苦労は重々理解しているつもりですが、一度「伝えるべき熱量」についても意識されてはいかがでしょうか。
ということを最後に無理やりまとめます。
最期までご精読いただきありがとうございました☆
katzoman