IRとCSRをちょっとナナメから考えてみる〜ある実務家の備忘録

統合報告書(Integrated Reporting)・IR(Investor Relations)・CSR(Corporate Social Responsibility)に関連するテーマについて、思ったことを書き綴っていくブログです。なにかの役に立てばいいなぁ☆

【独断と偏見による統合報告書レビュー】味の素グループ統合報告書2017

(約2,400文字)

 

みなさま、お元気でしょうか?

GRIスタンダードの対照表作成に続き、他社のレポート分析を行っています。

今回は、とあるCSR担当者の独断と偏見によるレポートレビューをご紹介したいと思います。

あくまで個人の意見ですので、「コイツなんもわかってねぇなぁ~」みたいな声はご容赦いただけますと助かります。逆にもっとここを深く読むと理解が深まるというご指摘は大歓迎です。

 

記念すべき1社目は「味の素グループ 統合報告書2017」です!!!

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https://www.ajinomoto.com/jp/aboutus/integrated_report/?scid=av_ot_pc_comjheadbp_ir_integrated_report

 

なんで味の素かって?机の隅に積んであったレポートの山の一番上にあったからですけどなにか…。

 

 

■総論

・味の素の事業と戦略を事前に理解していないと、読み進めるのが難しかった

→ただただ自分の理解不足です…。でも率直な意見として書いてしまいました

 

・ただ、経営戦略や非財務との結合性、メッセージ性など情報量とクオリティは高い

→おそらく味の素のIRを一定以上理解している人セミプロ向けの編集となっている

→全体像を理解するためには、サステナビリティレポートもセットで読めば理解できる

https://www.ajinomoto.com/jp/activity/csr/report/index.html

 

■読んだ感想

・個々のコンテンツが分断され、情報の流れが理解しづらく、読み進めるのに苦労した

 

・一方で、冊子を通じてASVによる価値創造を社長・特集などで繰り返し訴求しており、味の素はASVを進めていこうとしているんだなという戦略は理解することができる

→食品メーカーは途上国の栄養支援を通じたマーケット確保やブランド価値向上など、CSVを進めやすい環境であると思う

 

・味の素グループが2020年度にグローバルトップ10入りを目指していることはわかった

 

ASVを通じた価値創造ストーリーの4つはわかりやすい

 

・しかし、ASVのコンセプトが明確になっておらず、読み手の誤解を招きそう

→味の素社内ではASVセッションなど浸透策を行っているが、外部への理解浸透を懸念

 

・目標とする経営指標をコーポレートブランド価値*としている点はユニーク

*インターブランド社のグローバルブランド評価指標。各ステークホルダーからの評価を集大成した共通指標

 

・社会価値と経済のつながり(P17)では非財務目標の推進による売り上げ増と、環境目標達成によるコスト削減によって、経済価値へ貢献しているという流れはわかりやすい

 

■各コンテンツの印象

①What's 味の素グループ

・情報の分断、唐突感があり、このコンテンツが読みづらさの元凶だと感じてしまう・・・

→ごめんなさい、結局なにが言いたいのかよくわからないコンテンツという印象でした(泣)

 

②トップメッセージ

・創業者の思いが根底にあり今日の事業展開につながっていることをトップが語っているのは、理念実践できていることが伺えて好印象

 

ASVが持続的成長につながると確認していることはコミットメントとして素晴らしい

 

・グローバルトップ10入りを本気で目指していること、トップ10と比較した際の課題を明確に認識していることは明確な分析と開示をしている点で好印象

 

・トップ10入りのなかで、経済(財務)面と社会価値(非財務)面の双方で経営トップが語っている点は財務と非財務の結合がされ、統合思考が浸透していることが読み取れる

 

③解説-味の素グループの非財務目標

・社会面は栄養ポリシーにはじまり、①肉・野菜の摂取量、②共食の場への貢献回数、③創出される時間、④快適な生活への貢献人数といずれも事業と絡む目標となっており、CSVを相当意識した指標(社会貢献ではなく経済価値の創出を目指す)となっている

→よくこれを非財務目標として設定できたな、社内調整大変だったろうなと感じた

 

・環境面は、製品ライフサイクル全体でカーボンニュートラルや廃棄物のゼロエミッションを目指すなど、野心的な目標をたてている

 

・ガバナンス面では、企業統治ではなく社員の働きがいを課題としている点がユニーク

 

CFOメッセージの印象

ROEを最重要指標とし、そのためにROAを高めていくことをコミットメント

 

・一方で、総資産回転率を高めていく施策や創出する営業CF目標に言及している点も配慮がされている

 

・D/Eレシオ50%でマネジメントするが、重要なM&A案件があった際には50%を超えて実施することも考えてるという内容から積極的な姿勢が感じられた(丁寧な記載)

 

⑤リスクマネジメント

・ESG分類でリスクの内容と対応を記載している点が非常にわかりやすい

→今後は有報に掲載する「事業等のリスク」をより掘り下げた開示が求められると感じる

 

⑥青山学院北川教授との対談

・やや太鼓持ち的な印象(!)もあるが、社長メッセージで語られなかった戦略の詳細(アミノサイエンスが先行投資型のビジネスであることなど)が理解できた。しかし、社長メッセージと重複する部分もあり、対談として伝えたいことがっやまとまりきっていない印象(企業価値創造とのつながりについて言及されていない気が…自分の理解不足ですきっと)

→前提として、北川氏自体が味の素の情報開示を評価しており、一定のバイアスがかかった記事といえる。そもそも対談記事を統合報告書に載せる必要があるかと思ったり思わなかったり~。

 

ASVの取り組み事例

・味の素の持続的成長を目指す源泉を読み取れる重要コンテンツ

→たぶん味の素では、事業活動そのものがCSVという理解で深まっている気がする

 

⑧成長戦略

・非常に詳細な情報が掲載されており、読み手が分析する必要量をカバーできている

 

・働き方改革(P49)についても年間の平均労働時間(約1,800時間)を記載するなど、現状を詳細に伝えている点は素晴らしいと感じる

 

・重視するESG30項目(P70-71)は、SASBのガイドラインなどを網羅的にカバーしており、グローバル企業として求められる活動に対応していこうという企業姿勢を感じる。

■当該レポートから所属先においても検討していきたいこと

・非財務目標と経営戦略の結びつき、そしてそれを開示するとりまとめ力

ASVセッションを通じたCSV理念の全社員への研修

・ESG30項目とCSR中期目標との照合

 

■その他の参考資料

・味の素は年1回投資家向けにESG説明会を開催

https://www.ajinomoto.com/jp/ir/event/esg_briefing.html

 

・直近では、オリンピックを意識して選手の栄養サポート「Victory Project」の取り組みをASVとして紹介

https://www.ajinomoto.com/jp/ir/event/esg_briefing/main/06/teaserItems1/01/linkList/0/link/Presentation_J_20170327.pdf

 

■さいごに

いやぁ読んでまとめて整理していたら、けっこうな時間がかかってしまいました。でも一冊通して読むと、本当に理解が深まりますね。ただ読む時間を確保しておかないと難しいのが課題かなと。このあたりはページ数の調整次第だとは思いますが。

 

一社目からけっこうなボリュームになってしまいましたが、次回もできればどこかの企業のレビューをご紹介できればと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

とあるCSR担当者より

GRIスタンダードの対照表作成で参考になった2社(ライオンとSOMPOホールディングス)

 

 

 

目次(約1,700文字)

 

 

今年から適用されるGRIスタンダード

 

1年以上更新が空いてしまいましたが、今年こそは更新頻度をあげていければと思います。

 

年があけてCSR担当者は2018のレポート企画で悩ましい時期を迎えています。

今年はESG評価機関対応に加えて、GRIスタンダードの対応をしなければならないので準備が大変ですね。

 

そこですでにGRIスタンダードの対照表を開示している企業を参考に、自社版の作成を進めているのですが、まぁ悩む場面が多いわけですよ。

 

GRIスタンダードについては下記よりご確認ください。

https://www.globalreporting.org/standards/gri-standards-translations/gri-standards-japanese-translations-download-center/

 

 

GRIスタンダードって何が変わったの?GRI103の開示さ!

 

G4からの変更点などの詳細はまとめてくれている記事をご参照ください。

http://www.csr-communicate.com/global/20161213/csr-30943

http://www.cre-en.jp/library/column/170117/

 

モジュール構造については、ルール作成者側の話なんだからそこを強調する必要はないかと思いますが…。

 

個人的には、「自社のマテリアルな側面を特定し、そのマネジメント手法と評価について開示せよ」というGRI103の考え方が最重要かと思っています。

この点はマテリアリティを設定している企業はなにも迷うことはなく、シンプルにアピールできるのではと思っています。

 

逆に「なんちゃってマテリアリティ」を定めて、事業活動と実態がかい離している企業は悩むんだろうなぁと思います(遠い目)

 

独自解釈であることをご容赦いただき個別に振り返ってみたいと思います。

 

 

GRIスタンダード対照表の開示、特に「準拠」と「103」の開示についてなんかおかしくない?

 

2018年1月17日付にて筆者のネット検索してみたら、20~30社くらいがGRIスタンダード対照表を開示していました。

 

各社の対照表を見ていくなかで、筆者個人としては「準拠」の項目やGRI103の開示が気になるわけであります。どれだけカバーしてるのか目安になりますからね。

 

早速各社をみていくと

 

どれどれ、

 

あれ、

 

どの会社も

 

準拠の項目(中核か包括)を主張していない・・・

 

GRI103の開示をガン無視してる事例がけっこうあるけどいいのか・・・

 

って感じになりました。

 

2017年に前倒しで開示する企業姿勢と努力は素晴らしいのですが、いかんせんGRIスタンダードの要求項目をスルーしてしまっている事例が多かったのが気になりました。

特にGRI103の項目について、ちょいと勘違いしている(?)のかなと心配になってしまいました。

なにを偉そうなこと言ってんだと怒られそうですが、違和感を感じたことは事実だったので書かせていただいた次第です。

 

その中でも参考になった二社の事例をご紹介したいと思います。

 

マテリアルな側面で参考になるのは「ライオン」

 

http://www.lion.co.jp/ja/csr/guideline/gri/

 

ライオンの回し者ではありませんよ、わかりやすかったので紹介したいだけです(本当)

同社はGRIスタンダード対照表の開示に至るまでに、下記の流れを解説しています。

 

(1) マテリアリティ(重要課題)の考え方

(2) 関連性の強いGRIスタンダード側面の整理

 f:id:katzoman:20180117202521p:plain

注:http://www.lion.co.jp/ja/csr/guideline/gri/より引用

 

これが非常にわかりやすい!!

GRIスタンダードが今回重視している(と筆者が思っている)GRI103の開示について、非常に丁寧な整理がされています。

これがあるお蔭で、ライオンのCSR重要課題とGRIスタンダードの関連がグッと深まっています。

ただ対照表を開示するだけを対照表1.0とすれば、ライオンの事例は対照表2.0だと言えます(筆者のなかだけで)

 

強いて言えば…強いて言えば、103-3マネジメントの評価についても開示されているとパーフェクト!な感じだったんですが非常に参考になる事例だと思います。

 

ライオンさんとってもとっても参考になりましたぁ!ありがとうございまぁす☆

 

対照表作成で一番参考になるのは「SOMPOホールディングス」

 

http://www.sompo-hd.com/csr/communications/gri/

 

SOMPOの回し者ではありませんよ(苦笑)

同社の対照表はGRIスタンダードとG4の対照になってるいて、初回のGRIスタンダード対照表作成のある種プラットフォームになるんじゃないかと思っています。

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注:http://www.sompo-hd.com/csr/communications/gri/より引用

 

あやうくSOMPO様に惚れてしまいそうになりました(なってはいない)

 

他には、東京海上ホールディングスやNISSHAも非常に参考になりました。

 

東京海上ホールディングス

http://www.tokiomarinehd.com/sustainability/library/guide.html

 

NISSHA

http://www.nissha.com/csr/gri.html

 

さいごに GRI103の開示方法をもう一度確認しよう

 

今回複数社を調べてみえてきたのが、GRI103の開示方法をもう一度確認したほうがよいかなという部分でした。

GRIガイドラインはソフトローなので、別にガイドラインの作り方を間違えてようが現時点では大きな問題はないかと思いますが、ESG評価機関からのレピュテーションには少なからず影響を与えることが懸念されます。

 

CSR担当者のみなさま、GRIスタンダード対照表作成は大変かと思いますが、ともに頑張っていきましょう。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

個別ケース紹介:開示資料毎に伝わってくる熱量が違う件

タイトルだけ見ると、なんのこっちゃわからないかと思います。

自分の中でモヤモヤしていることが出てきたので、考えも整理できないままコレを書いています。

 

あれ、読んでる媒体でなんか感じる熱量が全然違うぞ・・・

 

モヤモヤのきっかけは、超優良企業キリンホールディングスの開示資料を見比べたときです。

 

自分の場合は企業の開示資料を見る順番は以下のようになっています。

決算説明会資料→質疑応答→決算短信(細かい数字)→アニュアルレポート

 

なんとなく情報の即時性を無意識のうちにとっているのかなと思います。

新中期経営計画のスライドも決算説明会資料と同じタイミングで拝見してます。

 その流れで各媒体を見たときに感じたモヤモヤを下記にまとめていきます。

 

まずはこれをご覧ください。

・長期経営構想説明会資料

http://www.kirinholdings.co.jp/irinfo/policy/strategy/pdf/kv2021_2016_2018medium-term.pdf

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タイトルから構造改革による、キリングループの再生』なんて書いてて、強い危機感を抱いていて、『結果にこだわり、計画をやり切る』なんて強いメッセージを出しているわけですよ。

 

(伊藤レポートを意識してるんだろうなと思いながら)

ROE向上に向けた因数分解では、収益性の改善を大々的に掲げていて、「相当な覚悟だな」というのがなんとなく読み取れるわけです。

 

それで、その熱量のまま統合報告書を拝見してみたら、

非常に言いづらいことなんですが、ちょっとガッカリしちゃったわけですよ…。

 

・KIRIN REPORT[統合報告書]2016年3月発行分

http://www.kirinholdings.co.jp/csv/report/pdf/report2015/kirinreport2015.pdf

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前もって伝えておくと、統合報告書を否定するつもりは全くありません。

統合報告書のキーメッセージも『ACCELERATING VALUE-DRIVEN GROWTH』って言ってるわけですし。

 

ただ、なんだろうなぁ…。

冊子を通じて、なんか熱量が全然伝わってこないんだよなぁ~。

キレイに収まり過ぎちゃってるというか、優等生っぽいというか。

 

これ思うのって自分だけ?ねぇ自分だけかな?

 

批判めいた言い方になってしまうが、足元の経営状況を踏まえた上で、

冒頭のLEAD STORYって「あんなんで良いの?」って思っちゃうんですよね。

 

そりゃぁ社会への貢献や、差別化のための技術を踏まえて、経営課題に真摯に取り組んでいくっていうストーリーは理解できますよ。

でもどこかオシャレ過ぎちゃって、全然危機感が伝わってこないっていうか。

 

特集記事とかもさぁ、健康とかクラフトビールじゃなくて、ブラジル戦略どうすんだよってトコロを打ち出してほしかったな~。

これは社内調整上、取り上げるのも難しいとは思うんだけど、長期経営構想説明会資料でも収益構造改革のシナリオで明確に施策を打ち出してるんだから、もうちょっとフォーカスしても良かったんじゃないかと思っています。

 

一文字残らず読み切ったわけではないですが、読後感として

長期経営構想説明会資料で感じた熱量どっかいっちゃったって印象でした。

 

なんか熱量が伝わってこないから、ガバナンスについても形式的な表現がメインなので「はいはい」って感じになってしまいました。

 

あくまで個人の感想として書いているだけなので、関係者の方々にはこんな内容で本当に申し訳ありませんという気持ちです。

 

けっこうコレって由々しい事態じゃない?

 

統合報告が意識されるようになって、みなさん財務情報と非財務情報の結合性とか重要性にばかり目がいきがちになると思うんですが、統合報告以前の問題として、開示資料毎の熱量が異なってるのってけっこう由々しい事態だと思いませんか?

 

そりゃ個々人受け取る印象は違うんだから、一緒にするな!!という意見はごもっともです。

しかも伝えるべきメッセージは同じなのでまったく問題はないんですが、そこから感じる熱量の違いは、また新たな課題なんじゃないかなと思う次第なわけです。

 

資本やKPIや価値創造モデルやら色々と設定されている苦労は重々理解しているつもりですが、一度「伝えるべき熱量」についても意識されてはいかがでしょうか。

 

ということを最後に無理やりまとめます。

 

最期までご精読いただきありがとうございました☆

katzoman

 

 

 

 

 

 

【雑感】「頼られてる感」っていうのは良いものだ

相変わらずの更新ストップでなかなかブログを書くのが習慣付かないkatzomanです。

 

週末にのんびりネット徘徊していましたら下記のような記事を見つけました。

 

 

greenz.jp

 

引用の引用だけど気になった部分を少し抜粋させてもらいます。

 

いわゆるデザイナーっていう職業は、広告代理店とか、ほかの制作会社からお仕事をいただくことが多いねんけど、その仕事のもらい方って、全部がそうではないけど「あなたの代わりはいますよ」みたいなことが多い。ていうことは、その他大勢のデザイナーと、setten designの平山っていうデザイナーは、同じ「デザイナー」なわけ。

その同じ土俵に上がって、同じ椅子を取りに行ってる時点で、先々、誰かはあぶれるわけやんか。って考えた時に、同じ土俵に上がらない、椅子取りゲームに参加せずに、自分だけが置いた椅子にそっと座りに行く、みたいなことをしないといけないと思ったら、やっぱり対外的に見せる自分の肩書きを、なにかしら変えないといけないと思った。

 

 

この発言が自分の胸にドカーンときました。

特に、『やっぱり対外的に見せる自分の肩書きを、なにかしら変えないといけないと思った。』

なんていう一文は条件反射的に納得してしまった。

 

自分が携わっている界隈でも、コンサルタントなのかディレクターなのかプロデューサーなのか線引きがかなり曖昧だな、感じる時が多々あります。

一言でなにをやってるのかを言いづらいというか表現できない感じがもどかしい。

 

 

あと読んでいてすっごい共感できたのが下記の部分。

 

「平山さんが仕事で得たい気持ちとか感覚ってなんですか」って聞かれたことがあって、その時になんやろって思ったら「必要とされてる感」それが、仕事だけじゃなくて、家族にも。頼られてる感じがただ単に好きなんやなって、めっちゃ思った。

「ヒランケン、あれでけへんかな、これでけへんかな」って、いろんな人に頼られたい。それが全部のベースにある。だから…頼られ屋か。頼られ屋やな!(笑)

 

自分もこの「頼られてる感」はすごい好きです。

なんか自分の存在意義が認められるって感じするし、自分の居場所を確認できるというか。

 

振り返ってみると、自分が今の仕事をしていて満足感を得られる瞬間はこの「頼られてる感」なんだろうなぁと思ったりします。

 

みなさまはいかがでしょうか?

 

そんなわけで今日は休日出勤でお仕事しております。

 

最後までご精読いただきありがとうございました。

 

katzoman

【初心者向け】CSRとESGについての参考情報

わりと言葉の使い分けが理解されていないなそうな言葉に「CSRとESG」がありますね。

CSR界隈の人は「何をいまさらヽ( ´ー`)ノフッ」だと思いますし、IR界隈の人も「新聞とか社内でそういった言葉を聞いて、知っている」ぐらいだと思われます。

※筆者の独断ですが

 

そういう時に下記のような記事があると理解が深まるので助かります。

さすがシンクタンク様☆

 

 

 

 

www.dir.co.jp

 

www.dir.co.jp

 

www.dir.co.jp

 

www.dir.co.jp

 

関連する話題を、俯瞰的にかつわかりやすくまとめられているので、全体をふんわり理解する分にはちょうどいい材料だと思います。

 

最近はESGにおけるG(ガバナンス)の情報開示についてかなり注目が集まっていますね。

 

筆者も必至に情報を追いかけていますが、いかんせん消化不良がちになっています。

 

そんなわけで、ガバナンスについては改めて情報整理を進めておってお知らせしたく考えていますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

 

今日はかなり軽めの情報提供で終わります。

 

最後までご精読いただきありがとうございました☆

 

【健康経営銘柄】ROE基準に対する素朴な疑問と統合思考の活用について

健康経営銘柄2016の結果が発表されていましたね。

CSRテーマの話が続いていましたので、今回は少し違う視点から整理してみたいと思います。

 

 

健康経営銘柄?ふぅ~ん…こんなのもあるんだって感じ

まず、健康経営銘柄ってなに?って人は下記をご参照ください。

 

www.meti.go.jp

 

なんとなく理解できましたか?

 

下記記事では、TOPIXとの比較結果も発表されています。

  

blog.livedoor.jp

 

これをみると、企業としての成長も果たしながら従業員の健康にも配慮できる企業ってめちゃくちゃ良いじゃん!みたいな印象は出てきますよね。

 

特に就職に関連する学生からすれば、選定企業に対するレピュテーション上がりますよね。親御さんも安心するというか。

 

こういった取り組み自体は歓迎されるものですが、一方で素朴な疑問も出てくるのであります。

 

それが選定基準に関する部分。

 

<選定基準>

  1. 「健康経営度調査」の総合評価の順位が上位20%以内であること
  2. 過去3年間のROEの平均値が業種平均又は8%以上であること

※ その他:重大な法令違反等がないこと

 

 

ROEの部分ではじかれちゃう企業って結構ありそう

 

選定基準について文句があるわけでもないし、経済産業省が主導する取り組みなのでROEが絡む理由もハッキリしています。伊藤レポートとかね。

 

しかし、この低ROE国家と揶揄される日本において、8%以上を基準にした場合、けっこうこぼれる企業ってあるよねって思うわけです。

 

既に一定のROEを達成している企業を中心としたスクリーニングという意味では全く問題ないんですが、基準に満たない故にこぼれてる企業ってちょっと不憫だなぁと。

 

そういった目で見てみると、割とROEがもともと高め(になる)業種や企業が中心になるよなぁと新たな気付きも出てきました。

 

ROE改善と健康管理の取り組み改善、優先すべきはどっちだ?

 

なお、選定された企業はこぞってプレスリリースを出してるわけですよ。

喜ばしいことですし、これまでの取り組みが評価された結果でもあるわけなので。

 

まぁわかりきった事を言えば、選定されてバンザイ!ではなく一層の努力が求められますよね。

 

また、選定されなかった企業も課題認識にはなるわけで一定のモチベーションだったりも出てくると思います。

 

この時に考えてみたいのが、ROE改善と取り組み改善のどちらをファーストプライオリティとするかです。

 

ここで出てくるのが、毎度おなじみ組織間のサイロの問題です。

 

ROE改善を推進する部署と、健康管理に取り組む部署はだいたい違うはずです。

同じ部署があったら先進的過ぎるので、ぜひ教えていただきたい。

 

思い付きだけど、例えば対応案が下記2案あったとします。

 

ROE改善の手段として健康管理にも取り組むのか

②健康管理とROEは論点が違うから別個の課題とするか

 

捉え方ひとつでその後のアクションも当然違ってきますよね。

 

①でいえば、小粒な取り組みで考えられるのが、当期純利益を少しでも下げとめるために、社員の残業を抑制し一般管理費を抑えていくという方法が考えられます。

 

まぁこれはあまりにもケチくさ過ぎて従業員からは総スカンになりそうですが、手段としては考えられるわけです。

 

②は部署別の取り組み課題として、個別に取り組んでいく。この場合は、数値的な関連性は決算発表時の結果としてしか見えてこないのが懸念ですね。

 

健康経営銘柄選定から統合的思考を考えてみる

 

毎回の着地点としては、ひとつの事象から次につながる効果的なアクションが踏み出せるかということを考えてみたいと思います。

 

ちなみに、統合思考については下記をご参考ください。

 

統合思考

 

統合思考は、組織内の様々な事業単位及び機能単位と、組織が利用し影響を与える資本との間の関係について、組織が能動的に考えることである。統合思考は短、中、長期の価値創造を考慮した、統合的な意思決定と行動につながる。統合思考は、次のような、組織の長期にわたる価値創造能力に影響を与える要素間の結合性と相互関係を考慮するものである。

 

・ 組織が利用し、影響を与える資本やトレード・オフなどを含む資本間の相互関係
・ 組織の主要なステークホルダーの正当なニーズと関心に対応する能力
・ 組織の外部環境、組織が直面するリスクと機会に対応するために、組織がどのようにビジネスモデル及び戦略を組み立てるか。
・ 過去、現在、将来における、資本に関する組織の活動、実績(財務及びその他)並びにアウトカム

 

統合思考が組織活動に浸透することによって、より自然な形で、マネジメントにおける報告、分析及び意思決定において、情報の結合性が実現されることになる。さらに、統合報告書の作成も含め、内部及び外部に対する報告やコミュニケーションに資する、情報システムのより良い統合にもつながる。

 

 

ここで考えたいのが、銘柄選定をゴールとした際に複数部署にまたがる課題があるということを認識することです。

 

機能別組織におけるサイロは仕方がないこととはいえ、やはりどこかで部署間調整なり話し合う場が必要となってくるわけです。

 

CSR部署かIR部署か、どちらが主体となるかは企業によって様々だと思いますが、こういったテーマをきっかけにお互い話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

 

本日は長くなってしまいましたが、最後までご精読いただきありがとうございました☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

社外より社内でのダイアログやってみれば?

前の記事で組織間のサイロを感じる瞬間について書いてみました。

一人でも”わかるわかる”と思っていただける方がいれば幸いです。

 

そこで今回ですが、

そのサイロを少しでもクリアにするための手法について考えていきたいと思います。

 

そうダイアログについてです。

ここでは社内向けのインナー版としています。

 

みんなぁ、社内で話し合ってるか〜い?

 

各社、色んな広報誌やサイトやらで社内対談記事とか出てますよね。

特に採用関連だと、話し手の素顔もわかるし良いコンテンツだと思います。

 

CSR界隈でもダイアログの重要性はかなり認知されていて、外部ステークホルダーを交えたダイアログを年間の活動計画にしっかり盛り込んでいる企業も多数見受けられます。

 

だがしかし、外部とのダイアログはやっていても社内のダイアログって意外とやってなかったりするんじゃないですか?

 

そう!そこのCSR担当者のアナタ!!!

どうですか?

 

そこのIR担当者のアナタ!!CSR部署の方と膝詰めで話し合ったことありますか?

 

実は社内で話し合うほうが難しい(面倒くさい)?

 

これは筆者の推論ですが、社内で話し合う方が難しいというか面倒くさいってことあるんじゃないでしょうか。

 

CSR部署からすれば、外部の有識者のほうが、話が通じやすいしお互いのメリットも感じやすいから場を設定すること自体はやりやすいんだと思います。

 

支援してくれる会社もありますからね。こんな記事を見つけたのでご紹介します。

 

www.econetworks.jp

 

反対に社内ダイアログのほうが色々と準備大変そうですよね。

CSR部署の方がいくら熱心でも隣の部署はだ〜れもCSRに興味なかったりするわけで。

 

特にIR部署にいる方は長年財務情報で企業を語るプロフェッショナル集団ですから、そこにCSR部署の人が乗り込んでいくのは、かなり勇気もいりますよね。

 

だからといって、お互いが疎遠なままではいられないのが、統合報告書やESGによる企業価値判断が広まっている現状です。

 

統合報告書をきっかけにまずは一歩ずつ歩み寄ってみれば?

 

お互い大人ですから、なにかきっかけがあればいいと思うんですよね。

こういうときに統合報告書を活用してもらえばいいんですけどね。

 

組織のサイロを壊すのは生半可なことではありませんが、千里の道も一歩からですよ。

 

目指すは、お互いの得になることは積極的に協力しあう関係性をつくること。

 

お互い人間なんですからわかり合えますよ、ねぇ。

 

※ずいぶんと組織間が仲悪い想定で書いていますが、別にみなさんこうではないと思っています。あくまで筆者の妄想です。

 

 

最後までご精読いただきありがとうございました☆