企業価値について考え出すと組織間のサイロを感じずにはいられない
ここ最近、外部機関による表彰ネタが続きますね。
そろそろ日経アニュアルレポートアワードの結果も出ることでしょう。
そこで今回はそのなかで企業価値向上に関する表彰を取り上げていきたいと思います。
元ネタはJPXが主催する企業価値向上表彰です。
やや情報鮮度が古くなってますが、他の方のブログでも取り上げられています。
財務情報における企業価値、
非財務情報を包含する企業価値
企業内で企業価値の共通言語化できてる?
偉い人同士でこういう話ってしないのかな?
執行役員様、部長様へ
偉い大学教授の話を聞いて納得する振りよりも、隣の部署ともうちょっと話してみたら?
「事業活動そのものがCSR」っていうよくわからない理論について
CSRの業界にいれば、1,000回ぐらいは聞いてきた話です。
今日はこの話について触れていこうと思います。
どこの企業がとは言いませんが、CSRのトップメッセージの見出し文にはこんな表現と社長さんのドヤ顔が載ってることが多いです。
・・・
・・・
なんのこっちゃよくわからないんだけど。
ねぇ、CSR業界にいるそこのアナタ!
この言葉の意味を本当に理解して使ってるぅ?
ちなみに私はこの言葉の意味がまったくわからないので、
使ったことはありません。
とまぁなんでこんな事を言い出しているかというと、
ネットサーフィンでこんな記事を見つけたわけですよ。
ここでまさかまさかのタイトルの言葉が出てくるわけです。
特定企業や団体の批判をするわけでもなんでもないです!!!
あくまでこのブログ筆者の個人的かつ偏重的な意見なだけだと思ってください。
この言葉出てくると、なに言いたいのかがよくわかんなくなるよ!!!!!
あ~ぁ、言っちゃった…知ぃ~らない。
個人的に同社のレポートは好きです。外部表彰もされていて名実ともに良いレポートだってことは重々理解しています。MRJのニュースはかなり心に響いたし。
だからあえて言わせて…。
事業活動そのものがCSRって言われても、よくわからないの本当に(泣)
え?もしかして私以外みんなわかってんの?マジで?
と思った時に非常に良い記事に出会いました。
まず、CSRの範囲について、「社会貢献活動」、「経営管理(リスク対応、ブランド向上、従業員満足)」、「Creating Shared Value(CSV)」の3分野に定義付けし、経営上の位置付けを明確にしている。
そして、これら3分野のバランスの取り方をCSR戦略と捉えている。国内の社会課題対応を「社会貢献活動」、グローバル展開における社会課題対応をCSVと捉え、「新市場開拓」の手段として各事業部におけるイノベーション戦略と位置付けている点が興味深い。
これこれ、こういう風に言ってくれるとやっと理解できるのよ。
さすがはO久保和孝氏。さすがはOルタナ。
尊敬と畏敬の念でいっぱいです☆
さて、タイトルの話に戻ります。
O久保氏のような論点を事前に共有できていると、ここで差しているCSRの範囲がまだ理解できるものになるので、これをどこまで認知させることができるのかがかなり重要なことだなと感じています。
というかさ、むしろもうCSRって言葉辞めませんか?
この言葉を否定するつもりはないけれど、共通言語化されていない現状を考えると、なにか別な特定する表現が相応しいと思う今日このごろです。
なお、私はCSR業界の片隅の日の当たらないトコロで10年ほどお仕事している知ったかぶり人間です。
ご精読いただきありがとうございました。
専門情報を知ってる人達から発せられる、そこはかとない見下し感について
なんじゃ、このタイトルは?と思われた方。
今回は日々感じるネガティブな点について書き綴っていきます。
自分に知識がないことが最大の要因ですが、
日々リサーチ業務で最新情報に触れている人って、知らない人に対してなんかエラそうじゃないですか?
クライアントに向けて(←これだったら大問題!)ではなく、同じ社内の人間に対してって意味で。
そんなことない?自分だけ?心が狭いから?
勝手な解釈だけど、一定数理解してくれる人がいると信じています。
だって彼らって一日中専門的な情報をインプットしてるから、そりゃ情報量は多くなるよね。
それをアウトプットする際の「アナタたちが知らないことを自分が知ってるぜ感」がプンプン匂ってきて、かなり異臭を放っているときを感じるわけですよ。
なんなんでしょうね、あの感じって?
あれ本人は悪気はないんだろうけど、受け取り手の気持ちを考えないんだろうなぁって思ったりもします。
被害者意識モロ出しの偏った意見ですいませんが、ちょっとネガティブな感情になることがあったので、それを吐き出させていただきました。
こんな記事をご精読いただきありがとうございました。
改めて、統合報告書ってどう捉えておけばいいのかな?
みなさま、またまた大変ご無沙汰しておりました。
またもや更新する気概が無くなってしまい間が空いてしまいました…。
さて、2016年になり仕事もこれからエンジンがかかりはじめてくる時期になりました。
企業のIR・CSR・広報・経営企画の担当者は、株主総会の準備や各種媒体の制作時期に入ってきていると思います。
今回のタイトルにある「統合報告の捉え方」についてはやや時期が遅い話かもしれませんが、この後起こるであろう議論をなるべくスムーズにするためには、やはり必要なものと考えます。
さて、この捉え方については企業の部署でだいぶ異なっているのかなと思います。
特にIR部署とCSR部署の方々の間では。
よく「組織のサイロ(縦割りって言えばわかりやすい?)を取り除こう」という論点で統合報告が語られることがありますが、組織を形成するうえでは、サイロができることは当たり前(機能別組織にするなら)の話かなとも思います。
なんでこんな話をするかというと、発行企業の主幹部署がどこかで、この捉え方がだいぶ変わってくるからだと肌感覚で感じています。
統合報告フレームワークにおける統合報告書の定義で紐解けば、『長期の財務資本提供者』という言葉があり、これを引き合いにすれば統合報告書はIRに沿うものだという事ができます。
ただ一方で、企業価値創造のストーリーを語るうえでは財務情報だけでなく、非財務情報とのバランスに考慮せよという意見もあります。
これが出てくると、IRだけではなく、より網羅的な意味でマルチステークホルダーに向けることも重要ということになります。
統合報告書に見識の深い方からすれば、なにを次元の低い話をしているんだ、と言われそうですが、現場レベルではまだまだこの手の議論が出てくる先があります(あくまで自身が経験している範囲ですが)。
この点については自分自身の勉強がもう少し必要ですね。
結論出ずで終わってしまいますが、ご容赦ください。
ご精読いただきありがとうございました。
経営研究調査会研究報告第55号「統合報告の国際事例研究」のサマリー2
引き続き、以下資料の海外事例の報告体系と特徴をまとめていきます。
6.セインズベリー(J Sainsbury plc / Home)
小売 イギリス 上場
Annual report 2015 (資料では2013を掲載)
主な特徴
① 戦略と価値を基軸とした開示
② リスク情報の多角的開示
戦略レポート・ガバナンスレポート・財務とセクション分けされていますね。
英国会社法に則った様式かと思いますが、戦略レポートとは言いえて妙だと思います。
7.スタンダード銀行(Home / Standard Bank Global)
金融 南アフリカ 上場
※事情あってここは画像ナシとなります。
http://reporting.standardbank.com/
主な特徴
① 統合報告書の作成方針の開示
② 重要性に関する開示
8.TTエレクトロニクス(Home | TT Electronics)
電子 イギリス 上場
主な特徴
① 俯瞰的視点から個別テーマへ流れていく報告構成
② 取締役会議長によるガバナンス報告
マーケットレビューからのビジネスモデルの流れはわかりやすいですね。
リスクマネジメントの記載もマトリックスでまとめられて詳細なのも特徴的ですね。
英国企業なので、構成は戦略・ガバナンス・財務となっています。
9.Umicore (Umicore)
金属 ベルギー 上場
主な特徴
① 一貫してトリプル・ボトムラインを基軸としたレポート構成
② 簡潔かつ広範なガバナンス報告
メーカーとしての安全性を訴求するためか、冒頭で"Great Place to work"コンテンツがあるのが特徴的ですね。
事故ゼロを伝えるとともに、掲載指標も事故発生率や従業員の教育時間、ボランティア休暇取得率など充実しています。
以上、9社を簡単にまとめてみました。
やはり海外事例はデザインやフォトなど見やすいものが多いですよね。
どうして日本国内のレポートは四角四面なものになってしまうんでしょうね~。
各国の法令など対応が求められる部分もありますが、任意開示のなかで各社いかに特徴を伝えているのか、改めて自分の考えを整理していきたいと思います。
最後までご精読いただき、誠にありがとうございます。
Katzoman
経営研究調査会研究報告第55号「統合報告の国際事例研究」のサマリー
時間があったので、さらっと以下の資料に目を通してまとめてみました。
海外事例を主に、報告体系とページ構成、特徴の3点でまとめられています。
紹介された海外事例のレポートをご紹介いたします。
業種や国の違いでだいぶ特徴が出てますね。
なにが正解というものではありませんが、各社最適化された企業報告としてベンチマークされています。
1.ARM ホールディングス(ARM - The Architecture For The Digital World)
半導体 イギリス 上場
Strategic report 2014 (資料では2013を掲載)
ARM Holdings - Investor Relations - ARM Holdings plc - Financial Reports - annual reports
主な特徴
① 市場環境認識、ビジネスモデル、そして戦略報告と流れる明確なストーリー
② 戦略的視点からの財務報告
2.AVIVA(www.aviva.com)
保険 イギリス 上場
http://www.aviva.com/reports/2014ar/
主な特徴
① 企業目的の提示
② 「ビジネスモデル」と「戦略」の関係性
3.CLP Holidings(www.clpgroup.com)
電力 香港 上場
主な特徴
① 結合性と将来志向:過去から未来への流れ
② 資本の開示
この資本の開示は興味ありますね、じっくり読みたいと思います。
4.Eskom (Eskom Home)
電力 南アフリカ 非上場
主な特徴
① 統合報告のアプローチと重要性決定プロセスの開示
② 多様な経営課題の選定とKPI の提示
重要性決定プロセスからのKPI提示はキレイな流れですね。
5.Novo nordisk(www.novonordisk.com)
製薬 デンマーク 上場
主な特徴
① 体系的な戦略報告 (pp.16-19)
② 実績情報の開示(pp.6-13, pp.14-15, pp.55-103)
③ 社会的課題と企業対応についての論理的説明(pp.22-27)
IR・CSR業界のグローバル事例でNovo社は有名ですね。
製薬業界特有のトレンドを抑え、事業とCSRのつながりを表現しています。
すこし文章が長くなってきたので、続きはまた次回まとめていきたいと思います。
最後までご精読いただき、誠にありがとうございます。
Katzoman
大変ご無沙汰しています…
昨年の8月に、評価軸のver.1を発表してからというものの、お仕事を言い訳にすっかり更新が途絶えてしまった当ブログ。
本人ですら存在を忘れるぐらいになってしまいましたが、やっとこさ忙しい時期も落ち着いたので、再開したいと思います。
今年もまだ2015のレポート全てが公開されているわけではありませんが、少しずつ見ていくこととします。
まずは、スパーリングがてら下記の資料に目を通す予定です。
読んで満足しないよう、個人的なサマリーをまとめてみようと思います。
katzoman