IRとCSRをちょっとナナメから考えてみる〜ある実務家の備忘録

統合報告書(Integrated Reporting)・IR(Investor Relations)・CSR(Corporate Social Responsibility)に関連するテーマについて、思ったことを書き綴っていくブログです。なにかの役に立てばいいなぁ☆

経営研究調査会研究報告第55号「統合報告の国際事例研究」のサマリー2

引き続き、以下資料の海外事例の報告体系と特徴をまとめていきます。

www.hp.jicpa.or.jp

 

6.セインズベリーJ Sainsbury plc / Home

 小売 イギリス 上場

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Annual report 2015 (資料では2013を掲載)

J Sainsbury plc / AR 2015

 

主な特徴

① 戦略と価値を基軸とした開示
② リスク情報の多角的開示

 

戦略レポート・ガバナンスレポート・財務とセクション分けされていますね。

英国会社法に則った様式かと思いますが、戦略レポートとは言いえて妙だと思います。

 

7.スタンダード銀行(Home / Standard Bank Global

 金融 南アフリカ 上場

 

※事情あってここは画像ナシとなります。

 

http://reporting.standardbank.com/

 

主な特徴

① 統合報告書の作成方針の開示
② 重要性に関する開示

 

 

8.TTエレクトロニクス(Home | TT Electronics

  電子 イギリス 上場

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TT Electronics

 

主な特徴

① 俯瞰的視点から個別テーマへ流れていく報告構成
② 取締役会議長によるガバナンス報告

 

マーケットレビューからのビジネスモデルの流れはわかりやすいですね。

リスクマネジメントの記載もマトリックスでまとめられて詳細なのも特徴的ですね。

英国企業なので、構成は戦略・ガバナンス・財務となっています。

 

9.Umicore (Umicore

金属 ベルギー 上場

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Umicore Annual Report

 

主な特徴

① 一貫してトリプル・ボトムラインを基軸としたレポート構成
② 簡潔かつ広範なガバナンス報告

 

メーカーとしての安全性を訴求するためか、冒頭で"Great Place to work"コンテンツがあるのが特徴的ですね。

事故ゼロを伝えるとともに、掲載指標も事故発生率や従業員の教育時間、ボランティア休暇取得率など充実しています。

 

以上、9社を簡単にまとめてみました。

やはり海外事例はデザインやフォトなど見やすいものが多いですよね。

どうして日本国内のレポートは四角四面なものになってしまうんでしょうね~。

 

各国の法令など対応が求められる部分もありますが、任意開示のなかで各社いかに特徴を伝えているのか、改めて自分の考えを整理していきたいと思います。

 

最後までご精読いただき、誠にありがとうございます。

Katzoman